遠い昔私が俳優養成所に通っていたころ。そこの先生に俳優は「非人間的に優れていなければならない」とよく言われた。まぁそれを組み合わせると確かに俳優という字になりますが…。私はその先生の教え方が傲慢でかなりえらそうで大嫌いでした。
だからなにかその言葉も納得できなくて…。確かにある意味そのじいさま先生は「俳優」でしたが…。
そのとき私は自分なりに俳優とは「非人間的に優しいひと」と解釈するようにしました。いろんな意味でひとの悲しさや虚しさを俳優はわからなければならないし、そういうことに対して否定的にならずにある意味受け入れていかなくてはならないーなぜか遠い昔の私はそう思い込み頑張ってきたようです。今自分がどっちの「俳優」になっているかはわからないけど私はじいさまの言う「俳優」は今だにピンとこない。
部屋の本棚にあるいろいろな演技の本。
その「俳優」という文字を見るたびに今でもふとあのじいさまを想い出す。
でもある意味じいさまには感謝しないとダメかもな。