公演終了後のご挨拶

大盛況に終わった大人の授業。みなさまに感謝の気持ちをこめて、smokersメンバー荻山博史からご挨拶です。

荻山博史昨年の9月7日〜9月11日に中野の劇場MOMOにて記念すべきsmokers旗揚げ公演「大人の授業」を上演しました。

まずはこの場を借りましてみなさまにお礼を申し上げたいと思います。スタッフのみなさま関係者のみなさま、そして役者として参加して頂いたみなさま、本当にありがとうございました。

今回もまた芝居というのは本当にスタッフのみなさんや協力頂いているみなさんに支えられているのだということを痛感させられる公演になりました。 結果的に公演の方はなかなかの好評を頂き、「成功」した公演となりました。御来場頂いたみなさまありがとうございました。

この公演、企画自体はかなり前からあり(基本的な原案は何年も前。詳しくはこのHPで探してくだされ)、この公演自体も約一年前くらいから動き出してはいたのですが、やはりそこは旗揚げ公演、色んな事が後手後手にまわって結局全てがギリギリに。まぁメンバーそれぞれが様々な所で共演したり、それぞれが劇団持ってたり(私以外は)なので客演しあったりと気心は知れてるのですが、市川・遊佐両名以外は全員B型という恐ろしい集団。まとまるものもまとまりません。しかも年齢もバラバラ、やってきた芝居もバラバラ。 初めの頃は「ホンマまとまって行くのかね」という感じでした。が、徐々にみんなも自分のポジションがわかりはじめて、自然と仕事をうまく分業するようになり、段々と集団らしくなっていきました。

しかしまだまだ困難は待っていました。客演をお願いする役者さんにはことごとく断られ、ギリギリまでキャストの人数も決定できず、その為にチラシの製作も遅れてしまい。スタッフさんの変更もあったり、キャストが決まらない為に台本も進まず(格ちゃん一応フォローしとく)と数え上げればキリがない程色々なことがありました。そういう訳なので今回客演頂いた役者のみなさんにはホント感謝しております。押し迫った公演によくぞ参加してくれました。感謝です。

そんなこんなで稽古が始まっていく訳ですが、今回はなんとコメディー。これがまた難しい。私自身もコメディーが一番芝居の中で大変ではないかと考えていましたが、今回さらに実感。

映画を観ていてもうまい俳優さんはコメディーをやっている方が多い。笑いというのは正に間が勝負。それをはずすと笑いは絶対に取れません。誤解を招く言い方かも知れませんが泣かすよりも笑わせる方が数段難しいのです。まず演じる方が、かなりのテンションで演じていないと笑いは取れません。

テンションを上げると言っても見掛けでオーバーにやるというのではなく、内面をレッドゾーンに持って行くという感じ。だから一公演終わるとグッタリ。 しかも「大人の授業」の様な場面転換もなく暗転(真っ暗になること。だいたいこれがあると場面が次の日に変わっていたりする)もなく、まんまリアルな時間が過ぎていく芝居になるとみんな出っぱなし。途中ではけたり(舞台上からいなくなる事)できるとウラで水を飲んだり何か食べたりできるのですが、出っぱなしだとそれが全くできない。で途中で台詞確認もできないから、芝居しながら頭で「ノド渇いた」「腹へった」「次の台詞は…」とか考えながら、しかも間をはずさず、笑いを取りながら2時間バトルしている訳です。

コメディー以外の芝居でも同じですが、場面が変わらず出ずっぱりというのはコメディーに多く見られ、その点ほかの芝居とは違うプレッシャーがキャストにはかかってきます。自分の調子ひとつで昨日笑いが来た台詞が今日はまったく笑いが来なかったりする訳ですから、かなりそれぞれの肩に色んなものが乗ってくるのです。まぁ今思えば何もない状態からコメディーに挑戦するということ自体、かなりの山に登ろうとしていたのかもしれません。正直、稽古中は全く笑いがこなかったらどうしようと、みんなで話していたものです。幕があかないと実際お客さんはどこまで笑ってくれるのかわからない訳ですから。台本上でのある程度の計算はありますが、やはりナマモノですから。フタを開けてみないとわかりません。

結果的には毎日たくさんのお客さんに笑ってもらえて、ほっとしています。

しかしホントコメディーは難しい。好評だった分次の公演への期待もさらに高まる。さらにさらにもっとおもしろいものにしていかないと。でも笑いっていいですよね、やっぱり。舞台上からいっぱいの笑顔が見えるとこちらも何か幸せになります。

smokersは毎回コメディーとは限らないのですが、旗上げにコメディーを持ってきたことにより色々と自分たちの課題も見えました。

「大人の授業」で得た色んな事を次回で生かせていけたらと思います。

「大人の授業」ホント私にもいい授業になりました。長々とお読み頂きましてありがとうございました。ではまた劇場で。 みなさんへのいっぱいの感謝とともに。

「大人の授業」阿部倉教頭こと 荻山博史(2006.1.12.)

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